憲法改正がやっと本物になりそうな気配だ。昭和30年、自民党は憲法改正を党是として結党しながら、その後何度も改正を口にしながら70年以上が経過している。そろそろ「やるやる詐欺」とは手を切っていただきたい。日本国憲法の起草に携わった米の高官は、「まだ変えていなかったのか」と驚いたと伝えられている。▼高市政権下で国民投票に漕ぎ着けそうなのは心底喜ばしい。憲法改正に関しては9条が1丁目1番地、本丸であるのは改憲論者の誰しもが認める事で、論を俟たない。その点に関して盲目的護憲論者はまだ存在するけれど、さすがにここに来て多くの国民は憲法の欺瞞に気づき、その脆弱性に不安を覚え、改正を求めている。国民投票では改正に賛成の意見が多くを占める筈だ。ところが、高市政権は9条ではなく、まず緊急事態創設などを目指している。これでは本丸には如何にも遠い。そのことは他ならぬ自民党、高市総理も無論承知している。9条に関して自民党は9条2項を残した上で自衛隊を明記する案だ。日本維新の会は2項削除を主張する。意見が割れている。憲法改正は万に一つの失敗も許されない。もしも、失敗すれば未来永劫とは言わないまでも、当分の間は提案することもできまい。改憲自体は賛成でも、この案では不賛成だ、と意見が割れれば憲法改正は流産の憂き目を見ることになりかねない。そうした事態は何としても避けねばならない。遠回りに見えても、まずは確かな一歩を刻みたい。(令和8年6月8日号)