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 西行法師の和歌「願わくば花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ」は西行60代に詠んだ句で、彼が釈迦入滅の日に合わせて亡くなったのは72歳の春の2月16日。桜の季節にはまだ早いが当時は旧暦なので、今では3月半ばの満月の日に当たる。▼政治の世界では外国人受け入れを巡って意見が対立している。地方都市に集団でコロニーを形成し、問題が生じているケースもある。やがてはそうした外国人も日本の国土に根を下ろし共同体として生きていくことになるのだろうか。▼私が小学生の頃は世界の4大文明の発祥地としてメソポタニアや黄河流域などを教わったものだが、現代の新説では5大文明とされ日本文明が古くて心を温かく通わす独自の文明を育んできたとされている。その真偽はともかく、外国人訪日が続けば、やがて日本も彼らとの共同体としての社会を歩むことになるのだろうか。ただそのような社会が現出しようとも彼らに我々日本人の価値観が分かることはないだろうと思うことがある。それは西行の和歌にも詠われている自然を慈しむ心と死生感、無常観である。私達日本人は誰に教わるまでもなく桜の花の散る姿に自己を投影し、そこに価値観を見出し生きる術を学ぶことができる。野の小さな虫の羽音にも耳を傾け、人の世の大切さと「あわれ」を感じとる習性は、私たち日本人が生まれながらに備わり、大切にしている心でもある。(令和8年3月2日号)

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