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 光陰矢の如し、と言われるが今年も残り少なくなって来た。私も若い頃は年末になれば来年が至極当然のように待ち構えており、新たな目標や夢をそれとなく描いていたのではなかったろうか。しかし今は違う。物故した友人の顔を思い浮かべたりする一方、できれば自分はもっと長生きしたいものだ、などと強欲な自分がいる。また世間を見渡せば出世・栄達された方々は数多い。最高位はノーベル賞受賞かもしれないが、昔はノーベル賞を受賞するなど、とてもすごいことだなと称賛したこともあったが、今は世論が騒ぎ立てるようには感激することもなくなった▼このところ臨済宗総本山円覚寺派管長で花園大学総長の横田南嶺老師が、花園大学の講座(録画)で説いている講話を眠れぬまま、度々聴いている。ここに紹介するのは、『夢中問答集を読む』として鎌倉時代末期に足利将軍に仕えた夢窓国師についての挿話である。若い僧が禅を極めたいと努力するも功成らず、自己の不甲斐なさに己を責めがちなことについての、夢窓国師の回答である。「世間に奔走して名声を求め利益を貪り、あるいは人より優れようと思い、仏典・漢籍を学習し智慧を望み、名声を求めるが達成はできず人は悩み苦しむ。しかし、人は本来、円満に成就しているものであり、気が付いていないだけで大空と同じである。大空は欠けていることもなく、はみ出ていることもない」と諭す。要は己の今のままでよろしい、丸く収まっていると言うのである。皆様、良い新年をお迎えください。(令和7年12月22日号)

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