東京(23区)から1950㌔㍍離れたわが国最東端に位置する南鳥島。まさしく絶海の孤島と呼ぶにふさわしいこの島が注目されている。周辺海域におけるレアアース採取が具体化する方向にあるほか、国が原発から発生する高レベル放射性廃棄物の処分地候補として小笠原村にその文献調査を申し入れた。南鳥島には防衛省や海上保安庁の職員が常駐しているだけで、住民はおらず小笠原村は同調査受入れに前向きだ。このほど開かれた住民説明会では小笠原諸島観光への風評被害等を懸念する声もあったようだが、何しろ小笠原の父島からでも1200㌔㍍離れており、実質的な影響は考えられない。化石燃料や鉱物資源に恵まれない我が国にとって、原発は主力電源であり原発による廃棄物処理施設確保は避けて通れない命題でもある。ともかく、レアアース確保も含めて南鳥島は我が国にとって極めて重要な存在であるが、遠く離れた孤島故、何をするにも島へのアクセス手段が不可欠である。その意味で、国土交通省港湾局が同島の重要性に早くから目を付け、係留施設を整備したのは極めて先見性のある取組だった。同島には防衛省の飛行場(滑走路延長約1300㍍)があるが、専用施設で一般利用はできない。港湾局が整備した水深8㍍公共岸壁(令和4年完成)は、同島への大量物資の海上輸送を可能にし、エネルギー開発の機能確保を確実にする支援手段として重要な役割を担う。港湾は同島の利活用に不可欠で、更なる機能強化も求められよう。(令和8年4月20日号)